がん患者の妻と生きていくこと

30代すい臓がん、絨毛がん経験者の妻と生活しています。人のありがたさを感じる10年でした!日々のケア等でコメントに回答はできないと思いますが、ご容赦くださいませm(__)m 私の気持ちを吐露することにお付き合いいただければ幸甚です。

妻の病歴②

再発から、また抗がん剤治療。再び、嘔吐、下痢、何でもござれの治療開始。忍耐で耐える。しかし、今度は腫瘍マーカーが下がらない。ほんとは妊娠していたのではないか?疑問が渦巻く。臨床的にはありえない。

効くか効かないかわからない治療。妻もよく耐えた。もう何度、嘔吐し、寝込んだことだろう。

妻も私も、周りの方のサポート、私に関しては、趣味のスポーツ・先輩・後輩のおかげで日々過ごせていた。

 

効かない治療、その原因がある日わかった。何気なく見ていただいた読影の先生から、「主膵管がわずかに拡張している。」とのレポート。まさか。確かにCA19-9も微増していた。

仕事の合間を見て、セカンドオピニオンを繰り返した。

確定診断の結果、膵腺癌だった。幸いステージⅡ。(後にⅢに変更。)

 

神仏はこの世にあるのか。

 

術後、ほどなくして再発。好発部位のリンパ節に転移していた。

アブラキサン(nab-ptx)を始めた。副作用がひどい。手のしびれ。全身倦怠感。

そんなこんなが2年間。笑顔を失っていく妻に癒されない自分。眠いか痛いしか言わない。フラストレーションがたまっていく自分。結婚して初めて手を上げそうになった。泣いた。限界を感じた。

老々介護で相手を殺してしまう、気持ちがよく分かる。

大事にしているからこその行動だと思う。自分に変な偽りの優しさがなければ、妻を実家に送り返し、介護放棄しているだろう。だが、どうしてもできなかった。

 

そして現在。ついに、背部痛を訴え始めた。

内臓神経ブロック施行。著明な効果なし。

 

この病気のおそろしさは、寝ているときに痛くなるという点。昼間つらいから、寝ようとすると激痛で寝られない。こんな地獄があるだろうか。痛い痛いと繰り返す。麻薬を投与しているがこんな状態。昼間は眠い。かわいそうすぎる。

マオさんの訃報。これは堪えた。海老蔵さんは俺と同じ年。本当につらい。

昨日、訪問看護がスタートした。あんなに気丈であった妻が、過呼吸を繰り返し、不安発作を起こし、メンタル崩壊している。私も2年前から不眠・不安で安定剤を服用しているが、まさか自分と同じになるとは夢にも思わなかった。